含状(ふくみじよう) 2017年08月14日 【幸若舞曲一覧(リンク先)】 1 高館の最後 さる間、(奥州)高舘の御所(義経の館)には、大手(正面)を固めし、鈴木(三郎重家、亀井六郎重清)兄弟をはじめとし、武蔵坊弁慶、皆討死をしけれども、寄せ手(攻め手)の軍兵は怖じてそうなく、攻入る者もなかりけり。 搦め手(背面)にありし人々は、鷲尾、片岡、熊井太郎(忠元)、源八右兵衛広綱、備前兵四郎これらの方々申しよう「いつまで角てながらえん、…続きを読む
一満箱王(全文版、曾我物語①) 2017年08月13日 【幸若舞曲一覧(リンク先)】 1 頼朝が伊豆に流されるまでを語る 安元元年(1176)神無月の頃、奥野(伊豆)の狩場にて、河津の三郎(祐泰は、父祐親と同族の工藤祐経が伊東荘を巡る所領争いになり、その時の恨みで工藤祐経の家僮八万三郎に前急所を射られ落馬して絶命した)討たれし時、五つや三つの若(君)有りしを、 (その後、この若君の母と再婚した) 曾我の太郎祐延が養育し、(若君の内)兄の一満十一…続きを読む
山中常盤 2017年08月13日 【幸若舞曲一覧(リンク先)】 《内容概略》 1 牛若丸からの便り さる間、牛若殿は、十六歳の春のころ、鞍馬寺を御出あり。 平家を討伐の為に、吉次の太刀を担いで奥州へ下らせ給う。 栄華を極める奥州、平泉の藤原秀衡の館へ程なく着かせ給う。 秀衡、館で対面中、誠に源氏の御大将と生まれをなして給いたる、若者にて御座ありけると、格別に喜んで、秀衡父子の契約を申し、手厚くもてなし奉る。 …続きを読む