新曲(要約版) 2017年08月05日 【幸若舞曲一覧(リンク先)】 《内容概略》 1 一の宮の思い つらつらおもんみるに(つくづく思いめぐらしてみれば)、古より今に至るまで朝敵を一時に滅ぼし、太平を四海にいたす事(天下を安泰に保つ方策は)武略の功に及(し)くはなし。 後醍醐帝の一の宮である尊良(たかなが)親王は、才能も容姿も優れていたが、幕府の意向で望みが絶たれ不遇の人であった。 あるとき、一の宮は、関白家での絵合わ…続きを読む
四国落(要約版) 2017年08月05日 【幸若舞曲一覧(リンク先)】 《内容概要》 1 義経都落ち さるほどに、判官、内裏を退出し、六条堀川の館に戻り、武蔵を召してお仰せる。「帝の宣旨を給わって義経、都に在らんこと違勅の臣と存ずる、旅の支度をせよ」 弁慶承り、主だった人々二百余騎を選んだ。義経の妻妾である河内重頼の娘、平時忠の娘、白拍子の静ら十二人の奥方も御伴を望んだ。 義経はこの状況を御覧じて、いかなる事ぞ既に鎌倉の…続きを読む
笛の巻(全文版) 2017年08月05日 【幸若舞曲一覧(リンク先)】 1 牛若、母の贈り物の笛を習う さる間、牛若殿、鞍馬の寺(の僧房の一つ)東光坊にて学問究め給ふ。筆をとっての筆法(筆の運び方)に、魚鱗、虎爪(こそう)、水露の点、孔子(くじ)、老子の筆の跡、文書(書状を書く際の文体について説いた書物)の数を残さず習ひぞ究め給ひける。 (「筆法之得伝」と号される手本に漢朝王羲の懸針、 垂露、 返鵲、 廻鸞、 魚鱗、 虎爪の6…続きを読む