十番切(全文版)曽我物語⑦

【幸若舞曲一覧(リンク先)】 1 五郎時宗、工藤祐経に止めを刺す  建久四(1193)年五月二十八日の夜半ばかりの事なるに、曽我兄弟の人々は、親の仇(工藤)祐経を思いのままに討ちおふせ(今、仇討し積年の恨みを晴らすことができ)、小柴(低く細い雑木)の陰へざっと引き(隠れ)しばらく息をつぐ(息をひそめていた)。  (兄)祐成が仰せけるようは、本望をば遂げつ(たので)、いざや、ここにて腹切らん…

続きを読む