元服曽我(全文版)曽我物語② 2018年10月01日 【幸若舞曲一覧(リンク先)】 1 箱王、仇工藤祐経を探す 文治元年(元歴二年(1185))正月十三日に鎌倉殿(源頼朝)箱根(神社)詣とぞ聞えける。 さる間、箱根(神社では)には、鎌倉殿(源頼朝)の御参りとて、大衆衣を用意し稚児の衣装を結構(支度し整える)す。 その中に、(箱根山神社の稚児で)河津の三男(伊東祐親の)三男(河津三郎祐通の二男)箱王殿(後の曽我兄弟の弟助五郎時宗)、衣装…続きを読む
常葉問答(全文版) 2018年09月30日 【幸若舞曲一覧(リンク先)】(靡常盤のつづき) 1 常葉、鞍馬寺を見聞する さる程に常葉御前は程なく清盛に靡き(なびき妾となり)給ひけり、老木の花の長らへて春に会えるがごとし(清盛の寵愛を受けることは老木の桜が生き長らえて花を咲かせているようなものである)。 子供の見る目も恥ずかしや、夫(つま、源義朝)の敵に靡(なび)くこそ、類少なき次第なれ。 心強くてさて果ては(頑強に抵抗して拒…続きを読む
大織冠(全文版) 2018年09月27日 【幸若舞曲一覧(リンク先)】 1 大職冠の威光 それ我が朝と申すは、天津児屋根命(あまつこやねのみこと、中臣、藤原氏の祖神)の天の岩戸を押し開き(鹿占いで吉凶を判じ祝詞を奏した神)、照る日の光もろともに、春日の宮(奈良春日大社の天津児屋根の命は、始め河内国一ノ宮枚岡神社に祀られていたが、のち春日神社に鹿島、香取の神々と共に合祀された) と現れて、国家を守り給ふなり。 だからであろうか、…続きを読む